固形燃料でお湯を沸かせる最大水量を特定
固形燃料だけで、山行での調理が出来ないか思案しています。
固形燃料での炊飯では、「ほったらかし炊飯」が超有名ですが、その他調理に使えないかと考えています。 それならと、固形燃料の実力はどの程度なのかテストしてみました。
テスト方法は、一個の固形燃料で一定量の水を沸かす温度と時間を測定して100℃達成するMAXの水の量を特定します。
アルコール系固形燃料
100円ショップで売られているアルコール系固形燃料を使用します。このアルコール系固形燃料は、臭いも無く、ススの発生もほとんど無いなど使いやすい固形燃料です。
比較<Esbit固形燃料>
アウトドア用としてEsbit製の固形燃料が有名ですが、コスト的に高いのと、独特の強い臭いがあり、さらにススの発生量が多いなど、個人的な使用には耐えられませんでした。
(参考)
Esbit製固形燃料 「14g – 6タブレット」 660円
14gで燃焼時間12分 500mlのお湯が沸かせます
(500ml沸かすのに1タブレット使用 単価は110円)
コスト的に高い!
原料がアルコールではなく、ヘクサミンという材料で、燃焼させると「シアン化水素」別名「青酸ガス」が少量発生します。テント内での使用は不可。換気の良い野外で使用してください。
アルコール系固形燃料の種類
今回使用するアルコール系の固形燃料で、主成分はメタノールアルコールです。

左:ダイソー固形燃料25g
アルミホイル付き
3個/110円
中央:CanDo 固形燃料25g
3個/110円
右:マーケット販売 固形燃料30g
5個/150円(鍋用)

ダイソー 固形燃料25g
しっかりしたプラスチック容器に入っており劣化しにくい。
アルミホイル付きで火力を抑えており、「ほったらかし炊飯」に最適。
単価:37円
燃焼時間は、実質26分前後

CanDo固形燃料25g
しっかりしたプラスチック容器に入っており劣化しにくい。
アルミホイルは付いていない。アルミホイルが付いていないため、火力が強く燃焼時間は約15分~17分程度。
単価:37円
上記の2種類、容器に入っているせいかほぼ揮発しないことが判明しました。しかし、夏の高温時には揮発劣化が確認されました。後日の記事内容です。

普通のマーケットで売られている固形燃料
薄いフイルムで覆われており、時間経過と共に揮発劣化します。
アルミホイル付き
単価:約30円
封を切ったなら、密閉出来るプラスチック袋にて保管すべき。時間と共に急激に揮発劣化します。
薄いフィルムで覆われている固形燃料ですが、包装袋から取り出した瞬間から揮発劣化します。保護容器に入れても劣化は徐々に進みますので長期間の保管は不可能です。
個人的に一番気に入っている固形燃料は、ダイソー製25gです。
きちんとした容器に入っており揮発劣化しにくい点と、アルミホイルが付いており「ほったらかし炊飯」に最適な点です。アルミホイルをとると、火力が強くなり炊飯時には焦げ付きが発生します。
お湯を沸かすには、側面のアルミホイルを広げるほうが火力が強くなり燃焼時間が短くなります。
だいたい、アルミホイルを広げると約2/3程度の17分~19分の燃焼時間に短縮されます。
固形燃料で水を沸騰させる温度と時間を測定
今回は、ダイソーで売られているアルコール系固形燃料25g(アルミホイル付き)を用いました。
測定方法
<下記画像は、水量が800ccの測定例>

五徳:ポケットストーブ
固形燃料:ダイソー固形燃料25g
温調計:SHIMADEN SR91
熱電対:K型
クッカー:PRIMUS ソロクッカーNS タイプM
測定した水量は、500cc,600cc,700cc,800cc の4種類
測定結果
各水量ごとに、タイムラプス(×15)映像を測定して、一分ごとの時間と温度をプロットして温度と時間のグラフをえがきました。

燃焼時間は、各水量ごとの消火時間が約26~27分前後でほぼ同じですので、固形燃料の火力は同じだと判断されます。
◆100℃到着時間
水の量(cc) | 100℃到達時間 |
---|---|
500 | 15分 |
600 | 18分 |
700 | 22分 |
800 | 到達せず MAX95℃ |
固形燃料25gで700ccが100℃達成するとは思いませんでした。
気泡がブクブクと発生する92~93℃で沸騰とされる方が多いのですが、完全な100℃ですからね。
固形燃料25gで沸騰出来る水量は700ccまでOK。800ccでも95℃ですからお湯として十分使用可能です。意外にも山行ソロ旅に必要十分なお湯が得られます。
欠点は、燃焼時間が27分程度と長い事です。
撮影したタイムラプス映像を編集してユーチューブにアップ
2分程度の映像ですので是非観てください。
検証結果
ダイソー固形燃料25gとPRIMUSソロクッカーを用いて水を沸騰(100℃到達)させる水量は、MAX700ccです。水800ccならMAX95℃です。
PRIMUSソロクッカーMは、熱効率がすごく良いクッカーだと思います。底が円形なのも火力が満遍なく当たっている感じです。
800ccは100℃に沸騰させることは出来ませんでしたが、95℃まで上昇してますので使用する上では問題が無いと思われます。
なぜなら、家の電気ポットの保温温度が90℃で、カップラーメンやインスタントコーヒーを作っていますから、95℃では使用上は十分かもしれません。
固形燃料25gで700~800ccのお湯が得られる事にワクワク感がたまりません。
一泊程度の山行に使ってみようかと思ってます。
ちなみに、カップヌードルなら300cc、アルファ米なら170cc、コーヒーに200ccなどなど考えると、固形燃料25g数個で一泊程度の夕食、朝食、昼飯の山行がこなせる気がします。
ただ残念な事は、「ほったらかし炊飯」が出来ない事です。「ほったらかし炊飯」もやるなら、クッカー、ポケットストーブなど あとワンセット必要になります。
ほったらかし炊飯とお湯を沸かすなら固形燃料が2個必要になります。
欠点は、燃焼時間が26~27分と長い事です。お湯を沸かす程度なら固形燃料のアルミホイルを広げるか外す事で火力を強くし、燃焼時間を短くすることで改善できると思います。
次回、燃焼時間を短縮する方法を検証します。
<燃焼時間を改善>
・燃焼時間を17分程度に改善。17分程度で700cc~800ccのお湯が得られます。
後日、アルミホイルを外して同様なテストを実施しました。
アルミホイルを外すと、燃焼時間27分が17分と短くなります。
◆Esubit製チタニュームストーブとアルコール系固形燃料で沸騰させたお湯が得られる量を検証しています。ポケットストーブと同様なお湯の量が得られる結果が得られています。
固形燃料20gで500cc
固形燃料25gで700cc
固形燃料30gで800cc
100℃達成したお湯が得られます。
風の無い室温17℃での検証結果ですので、野外ではこれよりも条件が悪くなると思われます。
気温や風の有無を考慮して沸かせるお湯の量を決定してください。
例えば、春や秋に風が有ると固形燃料25gで沸かせるお湯の量は500ccにするなどが必要かと思います。
今回の検証には、ポケットストーブを用いました。ダイソー固形燃料を用いた場合、火力が最も強くなるクッカーとの距離は約20mmであり、ポケットストーブがこれに当たります。
五徳とかストーブが変わって距離が変われば火力が変わりますので今回の検証結果とは一致しません。後、クッカーもPRIMUSソロクッカーMを使用しています。クッカーもかわれば検証結果と一致しない可能性があります。
ご注意ください。
固形燃料でのクッカーとの距離での火力変化を検証した過去の記事です。
この記事を読んでいただけると、距離20mm程度が最も火力が強くなる(熱効率)が最大になることが理解していただけると思います。
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