ガスバーナーとアルコールバーナーの炎の違い

アウトドア用調理器具

ガスバーナーとアルコールバーナーとの違い

 

 

大きな違いは、炎の温度が違うということ。

ガスバーナーは最高温度が1700~1900℃、アルコールバーナーは最高温度が1040℃です。
アルコールバーナーや固形燃料(成分はアルコール)での炊飯は、ガスバーナーの弱火に相当します。
実際に、300ccの水を沸騰させるまでの時間は、条件によって異なりますが、だいたい ガスバーナーで3~4分、アルコールバーナーですと6~8分(Trangia製)ぐらいです。ガスバーナーは2倍程度火力が強いことになります。逆にアルコールバーナーの火力はガスバーナーの半分しかありません。

固形燃料による「ほったらかし炊飯」が多くの方に人気があります。しかし、ガスバーナーで炊飯すると、クッカー底にオコゲが発生し、後片づけが大変になります。
人によっては、ガスバーナのバルブ全開で使用している方がおられるなど、クッカーを傷めないかと心配になります。

 

参考)燃料ガス(LPG)と燃料アルコールの熱量比較


 
熱量を比較すると、燃料アルコールは燃料ガス(LPG)の約半分です。単純比較すると、同じ調理するにしても燃料アルコールは燃料ガス(LPG)の倍の燃料を必要とします。
私が持っているTrangia製アルコールバーナーで一合炊飯すると30cc(24g)必要となります。ガスバーナーでは、10g~20gであり アルコールの約1/2の重量となります。山旅の長期間の縦走など、担ぐ荷物をなるべく軽くという点では アルコールバーナーの選択は有りえません。しかし、アルコールバーナーの魅力でしょうか、山行にも持っていってしまいます。

実質的なコスト


実質的なコストを考えると、燃料アルコール(500ml)の価格は約300円、一合炊飯で30ml(24g)使用します。約16回分使用できます、一回あたり約20円です。
ガスバーナーでCB缶(110円)だと一合炊飯には、10g~20g消費で1回あたり約5円~10円となります。
価格的には安い物なのでそんなに気にしてませんが、でも長旅で常備するという点では、やっぱりガスですよねー。

アルコールバーナーのメリットとして個人的には「ほったらかし炊飯」が出来るからです。
 

山旅や車中泊などでよく利用する、ガスバーナーとアルコールバーナーの特性と火力の違いをちょっと知っておくことは、重要な情報だと感じます。

 

炎の種類(外炎・内炎)

ガスバーナーの炎の外炎と内炎

ガスバーナーにしろアルコールスバーナーにしろ、炎の種類は外側の少し赤みがかった「外炎」と内側の青白い「内炎」があります。

外炎(がいえん)は、空気中の酸素と、酸化反応が迅速に進行して熱を発生しており酸化炎とも呼ばれている。

内炎は青から青緑色で水素と還元反応が進行して熱を発生しており還元炎とも呼ばれています。
ガスバーナーなどで空気を入れないと内炎は出来ません。

着火時によく赤い炎が出来ますが、あれは燃料が不完全燃焼しており、燃料成分のススが燃えている色です。ガスバーナー混合管部の空気取入口をふさぐと赤い炎となります。
その時には内炎は発生しません。

(参考) 色温度に関して


炎の色が青いから温度が高い、赤いから温度が低いと「色温度」がどうこうと言われる方が多数おられます。しかし、色温度とは、太陽光や自然光、人工的な照明などの光源が発する光の色を示す尺度のことです。単位はケルビン(K)で、光源の温度や明るさとは関係ありません。

すいません、私もネットで調べるまで知りませんでした。
私も青色は高く、赤色は低い、白ぽっくなるとより高温と思ってました。ただ、特定の炎の中での「青は高い温度」、「赤っぽいのは低い温度」の判断はあっているそうです。
しかし、バーナーが異なる場合では、ガスバーナーの青色とアルコールバーナーの青色が同じ温度ではないと言うことです。
したがって、炎の色で温度を特定することは出来ません。

ガスバーナーの炎と温度

ガスバーナーの構造

出典:キャプテンスタッグ

ボンベにバーナーをセットした状態
開閉つまみは閉じた状態

開閉つまみを開いた状態
液化石油ガスの気化ガスが放出され、
ガスの放出圧力にて混合管部の空気取入口から空気が吸い込まれてガスと混合されます。
空気と気化ガスの混合ガスがバーナー部より放出され火をつけて点火。
外炎と内炎が形成される。

ガスバーナー炎の温度

液化石油ガスを用いたバーナーでの
最高温度は、状態によりますが1700℃~1900℃
です。平均値としてMAX:1800℃ぐらいです。
意外に高い温度だと感じます。
まあマッチでも擦った時には1400℃もあるそうなので何となく理解できます。
右の画像では上に炎が伸びてますが、実際に
クッカーを五徳にのせると、炎が大きくクッカー底の周辺に広がっています。


普通のガスバーナーで500ccの水を沸騰させる時間は、約5〜6分程度の火力です。
OD缶・CB缶ともに成分は液化石油ガスで同じなので、炎温度はほぼ同じです。

なお、OD缶にはノルマルブタン、イソブタン、プロパンが混合され使用環境(気温)によって混合ガス缶を選択するようになってます。缶の名称が「パワー」「ウルトラ」などとなってますが、記事トップで示す「熱量比較」よりノルマルブタン、イソブタン、プロパンの熱量はほぼ同じです。
したがって、混合ガスの成分が違ってもバーナーの火力は同じです。混合する意味は、気化熱温度がガスによって異なるため ガス混合することでより低温での火力を保つためです。

 

アルコールバーナーの炎と温度



エバニュー(EVERNEW) アルコールバーナーセット・ゴトク EBY250

ブランド: エバニュー(EVERNEW)

  • サイズ : 本体/直径7.5cm×高さ5.5cm
  • 容量 : 120ml
  • 18-8ステンレス製
  • 質量 : 125g
  • 付属品 : ステンレス製ゴトク
  • 燃焼時間 : 約40分

私が持っているアルコールバーナーです。最近は高火力のチタン製が人気ですが、この製品はステンレス製でアルコールが多く入れることができるため燃焼時間が長い点が気に入ってます。欠点は少し重たいことと、高火力のチタン製と比較して、約2/3程度と火力が弱い点です。
メスティンとよる炊飯が人気ですが、このアルコールバーナーを使用すると50ccのアルコールで一合の炊飯が出来ます。正確には45ccでOKなのですが、アルコールバーナーは外気温度で燃焼が不安定なので少し多めに入れて炊飯してます。
固形燃料とメステインによる「ほったらかし炊飯」が有名ですが、アルコールバーナーによる「ほったらかし炊飯」も問題なくできます。

追記

後日記事にしましたが、Trangia製アルコールバーナーとEVERNEW製チタンアルコールストーブでの一合炊飯のアルコール使用量は30ccです。

アルコールバーナーは、バーナートップとクッカー間の距離で火力と燃焼時間が変化します
Trangiaアルコールバーナー(TRB25)/バーナーとクッカーとの距離における火力と燃焼時間の検証

ユーチューブにアップしています
Trangiaアルコールバーナー / バーナーとクッカーとの距離による火力と燃焼時間の検証結果

意外に知らない方も多いので、使う上で注意が必要です。最適距離が得られるような高さがある五徳を選択することが重要です。バーナー上にセットする十字五徳は火力最悪です。ご注意を!

アルコールバーナーの構造

  

アルコールを入れ点火すると
中央の主室で燃焼が始まる。
炎がバーナーの内部を加熱して
アルコールを気化(蒸発)させる。
十部に加熱させると蒸気圧(気圧)
が高くなり、副室のジェット孔
より噴き出し炎となる。
噴き出しにより空気を取り込み
外炎と内炎を形成する。

バーナー周辺の副室でアルコールが暖められることで、副室のアルコールの蒸気圧が高くなり、小さい孔から気化したアルコールが噴き出し、周辺の空気を取り込むことで強い火力を生成する。
真中の主室は、開口部が広いため圧力が低くく炎が小さく火力が弱い。

薬局で買える最安値のアルコール燃料

   

スギ薬局で販売しているアルコール燃料で価格は300円。色々調べてみましたが、この300円以下の製品はありませんでした。

ケンエー燃料用アルコール 500ml

ブランド: 健栄製薬

価格:¥380 (¥1 / ml) + ¥490 配送料
原材料・成分メタノール 76.6%
エタノール 21.4%
イソプロパノール 0.3%
ブランド健栄製薬
商品の形状リキッド
商品の重量400 g
Item Volume500 ミリリットル
   成分    発火点(自然発火)   引火点   
 メタノール   464℃   11℃
 エタノール   425℃   13℃
引火点とは(火種があれば火がつく最低温度)

アルコールバーナー炎の温度

   

小学校の理科の実験でよく使うアルコールバーナーでの最高温度です。アウトドア用のアルコールバーナーに関する温度表記は、ネットを調べた限り有りませんでした。
燃料も原理も同じなので、ほぼ同じ温度だと思います。ネットでは1040℃と示されてます。
まあ、アルコール燃料だと約1000℃ぐらいと認識してます。

     

固形燃料に関して

  

固形燃料も原料はメタノールアルコールですので、アルコールバーナーと同じ1000℃程度でしょう。
ただ固形燃料に火をつけて炎を観察するとわかるのですが、青色の炎よりは赤色の炎が多くアルコールバーナーより低温ではないかと感じます。バーナーのように積極的に酸素を取り込んでいないためだと思いますが、どうでしょうか。誰かこのへんの温度測定された結果をお持ち方はおられませんか。

炎の温度など詳しい事は下記サイトをクリックしてください。

  燃焼の化学

   


追記
  
固形燃料とクッカーとの距離での火力と燃焼時間を検証した記事です

ダイソー固形燃料とクッカーとの距離で火力と燃焼時間を検証

アルコールバーナーと違って、距離の違いによって火力と燃焼時間は変化しません。焚火と同じで固形アルコールが燃焼しているだけです。距離が長くなれば炎から遠ざかりますので火力は落ちますが、距離40mm以内であれば火力も落ちないしOKです。
意外にも、ポケットストーブとダイソー固形燃料の組み合わせも最適な結果となりました。

 


  

ガスバーナーで1800℃、アルコールバーナーで1000℃ かなり高温です。メスティンの材質がアルミで融点(溶ける温度)が660℃ですから、アルミのクッカーはよく耐えてますねー。本当に!
熱を散らすという意味でバーナーパッドの必要性を感じます。

メスティンに最適な格安(110円)バーナーパッド


個人的には、車中泊の場合アルコールバーナーは、ほぼ積極的に使用してません。ただ、「ほったらかし炊飯」には時々使用します。それは、一合の炊飯をする場合、私のステンレスアルコールバーナーでアルコール量50cc入れれば「ほったらかし炊飯」が出来るからです。
だいたい、車中泊で使用するのは固形燃料を切らした時ぐらいかなー、固形燃料があればアルコールバーナーは使用してません。

参考)
Trangia製アルコールバーナーによる「ほったらかし炊飯」- ①
Trangia製アルコールバーナーによる「ほったらかし炊飯」- ②
EVERNEW製チタンアルコールストーブによる「ほったらかし炊飯」


  
後使用するのはキャンプ場で時間的な余裕がある時、それと標高の低い山に一泊程度する時ぐらいです。アルコールバーナーは火力が弱い点と火力調整が困難であるのが欠点で、調理に使用するには意外にも使いづらいと感じてます。
   
ガスバーナーを使用するのは、炊飯以外の調理をする時です。お湯を沸かすのには短時間で最適ですが、炊飯に使用するとオコゲ製造機になる可能性大なので、なるべく炊飯にはガスバーナーを使用しないようにしています。
「ほったらかし炊飯」には、固形燃料かアルコールバーナーですよね。

   


   

    

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