Trangiaアルコールバーナー(TRB25)/「火力調整フタ」有無での火力と燃焼時間の検証

Trangia製アルコールバーナー(TRB25)

Trangiaアルコールバーナーの火力調整フタとは

 

Trangiaアルコールバーナー一式

・本体 110g アルコールは110cc入ります
・フタ (中にパッキングが有)
・火力調整フタ(正式名称:火力調整消火用フタ)
 上のスライド扉を動かして開口部の広さで
 火力を調整できます

・計量カップ(50cc) 100円ショップ
・燃料ボトル(ナルゲン製)

バーナー本体に火力調整フタをのせた状態

画像はスライド扉が全開の状態

スライド扉を動かして開口部を閉じれば火を消すことができます

アルコールバーナーの火力はガスバーナーと比較してかなり弱いと思います。通常、スライド扉を調整して火力を落とすことはほとんど無いと感じてます。スライド扉を閉じて「消火」として使うことがほとんどです。

しかし、せっかく付属しているのですから、火力調整フタの有無によって火力と燃焼時間を検証してみました。

「火力調整フタ」有無での火力と燃焼時間の検証

 

100円ショップで購入した五徳の高さが75mmであり、バーナーとクッカーの距離は35mm(一定)です。

バーナーとクッカーとの距離による火力と燃焼時間を検証した前回の記事です。

Trangiaアルコールバーナー(TRB25)/バーナーとクッカーとの距離における火力と燃焼時間の検証

 

最適距離を検証した結果で。動画にしてユーチューブにアップしています。
・Trangiaアルコールバーナー / バーナーとクッカーとの距離による火力と燃焼時間の検証結果

バーナーとクッカーとの距離は、40~50mmで最高となりますが、五徳の関係で距離35mmとなります。100円ショップの安い五徳ですがまあいいかなと。100円と安いし!今後は、距離35mmで検証します。

検証に用いた器具&条件

 

・アルコールバーナー:Trangia製 TRB25

・クッカー:コーナンメスティン

・アルコール:ケンエー燃料アルコール メタノール(77%) + エタノール(22%)  20cc

・水:370cc (一合炊飯時の370gを想定)

・バーナーとクッカーとの距離:35mm(一定)

・温度測定
 温調計 SHIMADEN製 SR91 精度0.3℃  
 熱電対 T型 -200~200℃

・タイマー(100円ショップ)

・治具(自作)
 

検証

 

火力調整フタ有り
 35mm – 20cc – 370cc

火力調整フタ無し
 35mm – 20cc – 370cc 

 

動画

   

「火力調整フタの有無による火力と燃焼時間」の動画を制作しました。動画のほうがわかりやすいと思います。クリックして観てください。

     

データーをグラフ化しました

   

バーナーとクッカーの距離35mmの結果です
 
・アルコール20ccでは水370ccで100℃に達しません。
 ただ、沸騰はしませんが90℃以上のお湯ですのでホットコーヒーなどには使用できます。

・火力調整フタ有りは、フタ無しの約2倍の燃焼時間で火力は半分である。


感想)
本当に良くできたバーナーだと感じます。火力調整フタ有で燃焼時間が倍になるなんて、フタ有無での総熱量に大差が無い感じです。フタ有りでのエネルギーロスは少ないと思います。
イヤー 本当に良く考えられてます。本当にスゴイ!
 

アルコール量30ccのデーターを追加してみました

 (30ccは別の日に計測したデーターです)

   

   

・火力調整フタ有りでアルコール量30ccで100℃(水370cc)に達成していない。したがって、
 アルコール量を増やしても100℃に達成しない可能性が高い。

・火力調整フタ有りで、アルコール量20ccと30ccで曲線がほぼ同じであり、再現性が高い。

・火力調整フタ有りで、アルコール量20ccと30ccとで燃焼時間は約×1.5倍であり、アルコール増加量
 に比例すると思われる。


「火力調整フタ」有無での 火力と燃焼時間の検証結果

 

・火力調整フタ有りは無しと比較して、燃焼時間は約2倍である。

・火力調整フタ有りは、燃料を増やしても370ccの水を100℃に到達できない。
 100℃以下のとろ火であり長時間暖める鍋などの調理に向くのでは。
 沸騰はしませんが、90℃以上のお湯ですのでコーヒーやラーメンなどには使用できます。

 

アルコール量と燃焼時間

沢山のデーターを取得して検証した結果、

バーナーとクッカーまでの距離は35mm(一定)

アルコール量が30ccまでは、
燃焼時間=4n-1(n=10cc単位)単位:分
アルコール量30ccなら 4×3-1≒11分  火力調整フタ有りだと倍の22分程度となります。

アルコール量が30cc以上の場合は
燃焼時間=4n-2(n=10cc単位)単位:分
アルコール量40ccなら 4×4-2≒14分 実際には13分台となります。

なぜアルコール量が増えると燃焼時間が減少するのか
アルコール量が多いと燃焼時間が長くなります。結果、バーナー本体が輻射熱で暖められて温度が上昇し、結果として、燃焼効率がアップして燃焼時間が短くなるのではと推測してます。
アルコール量を変えてテストしていると、アルコール量が多いほどバーナー本体に触った感じとして温度が上昇しているなとの感触があります。

誤差
もう20回程度アルコール量を変えながら検証してますが、上記式にて燃焼時間は合っている感じです。
ただ、アルコールバーナーはアナログ的なので誤差は1分程度あります。単なる目安ですのでご了承ください。でも目安とはいえ燃焼時間が出せるのは便利です。

Trangiaアルコールで「ほったらかし炊飯」が出来ないか

火力調整フタを用いて燃焼テストを実施した主因は、「ほったらかし炊飯」が出来ないかどうかを
検証するためです。
 
過去の記事で
「ほったらかし炊飯」/アルコールバーナーによるメステイン一合炊き
 
アルコールバーナーでの「ほったらかし炊飯」が出来ることを立証しました。ただ、バーナーが火力の弱いエバニュー製のアルコールバーナー(ステンレス)で、固形燃料とよく似た燃焼曲線が得られることから炊飯出来ることがわかりました。

Trangia製アルコールバーナーの火力は強力です。そのままで炊飯すると必ず強烈な焦げが発生します。
2回トライして、黒いオコゲが発生したご飯を二回も楽しみました。? アハハ!ご飯を捨てるわけにはいかないので無理して食べました。
でも失敗ですよねー。何とかしなくては!


固形燃料による「ほったらかし炊飯」時の燃焼曲線を測定しました。
Trangiaアルコールバーナーの火力調整フタ有りのデーターを重ねてグラフ化しました。


上記グラフの様に、固形燃料と近い温度曲線が得られました。いい結果ですよねー。
温度曲線から、さらに炊飯条件を詰めれば、Trangiaアルコールバーナーによる「ほったらかし炊飯」が可能だと思います。

条件など検証できたら「Trangiaアルコールバーナーによるほったらかし炊飯」としてまた記事としてアップします。


<追記>

後日、火力調整フタを使用した「ほったらかし炊飯」が上手くいきました。クリックして閲覧してください。

記事にするまでに数回実施してますが、全て美味く炊けました。かなり良いですよ。
皆さんも試してください。気に入ると思います。


    

   

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